屏風は、もともと部屋に立てまわして空間を区切ったり、風をさえぎったりするために用いられた調度品です。用途の性質上、人の背丈を越すくらいの大きなものが多いことや、場に応じて自在に折り曲げて使われることなどから、そこに描かれる絵画も独自の展開をしてきました。大画面を生かしたダイナミックな構成のもの、その逆にパネルごとの独立性を生かしたもの、ジグザグに折ることで画面空間の奥行きが増すよう工夫したものなど、屏風絵ならではの面白さを味わうことが出来ます。今回の収蔵品展第7室では、屏風絵の特集展示を行い、特に人物描写に魅力のある作品をご覧いただきます。躍動する群集のエネルギーや、俗世を離れて集う隠士たちの清々しい気配など、屏風の中に人々が集い、語らう姿をお楽しみください。