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没後30年 香月泰男展 〜<私の>シベリア、そして<私の>地球〜 11月2日(火)〜12月12日(日)

 香月泰男は、1911(明治44)年、山口県三隅村(現:三隅町)に生まれました。少年時代から画家を志し、東京美術学校を卒業。北海道の旧制中学校、下関の高等女学校の美術教師を務めながら、国画会展や文部省美術展覧会に出品します。しかし、頭角を現した頃の1943年、召集されて中国東北部へ行き、海拉爾(ハイラル)に駐屯することになります。1945年8月の敗戦によって、シベリアの収容所に送られ、1947年5月に帰国するまでの間、飢餓と強制労働、酷寒の生活を強いられました。その体験が帰国後、代表作である<シベリア・シリーズ>を生み出すことになったのです。
方解末や木炭の粉末を混ぜた油絵具を塗り重ねていく独特の手法、黒や褐色を中心とした暗鬱な色調でおおわれた画面。全57点にも及ぶ<シベリア・シリーズ>は、その一点一点が、シベリアでの鮮烈な記憶、体験を物語っており、作品としての造形的な美しさと力強さをたたえています。今回の展示では、これまでの制作年順の展示ではなく、香月のシベリアでの体験順に作品を展示します。
それに加えて「<私の>地球」というテーマを設けて、故郷三隅町での暮らしのなかで目にした自然の景観、草木や鳥たち、台所の風景などを題材とした作品群を紹介します。これらは<シベリア・シリーズ>と時期を同じくして制作されており、香月の画業のもうひとつの柱となっています。
この展覧会では、初期から晩年までの代表作や<シベリア・シリーズ>などの油彩画、水彩素描、陶画、おもちゃ、テラッコッタなど約180点で香月泰男の多様な造形世界をご覧いただきます。静岡では初めての本格的な回顧展、この機会に「香月泰男の世界」をご堪能ください。

《月の出》
<シベリア・シリーズ>
1974年 山口県立美術館


《母子》
1969年

(当館学芸員 泰井 良)
 
《雨(牛)》<シベリア・シリーズ>
1947年 山口県立美術館
  《涅槃》<シベリア・シリーズ>
1960年 山口県立美術館寄託
 
information 
●美術講演会「命をかけた画家〜香月泰男の生涯」
講師:坂倉秀典氏(三隅町立香月美術館館長)
11月3日(水・祝)14:00〜15:30 講堂
申込不要 聴講無料

●特別講演会「香月泰男とシベリア・シリーズ」
講師:立花隆氏(評論家)
11月16日(火)14:00〜15:30 講堂(定員250名)
要申込 聴講無料
往復ハガキに下記事項を記入の上、11月1日(月)〈当日消印有効〉までにお送りください。
[宛 先] 〒422−8002 静岡市谷田53−2
静岡県立美術館 立花隆氏講演会係
[記入事項] 返信表面=申し込む方の、郵便番号、ご住所、
ご氏名(“様”もご記入ください)裏面=白紙
※往復ハガキ1枚で1名様のお申込です。お一人様複数枚のお申込は無効です。

●学芸員によるフロアレクチャー
11月14日、28日、12月5日
いずれも日曜日 14:00〜 展示室
観覧料が必要です。
 

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