1863-1935
ポール・シニャック(1863-1935)は、ジョルジュ・スーラ(1859-1891)と並んで、新印象主義を代表する画家で、小さな色点をキャンヴァスに並置する点描技法で知られています。彼は21歳のとき、スーラの徹底した点描技法に啓発され、スーラから受け継いだ新印象主義の技法と理論を追求したのでした。お喋りで社交的だった彼は、内気で人付き合いのへたなスーラとは対照的でしたが、スーラの苦手とした画家や批評家たちとの交流を引きうけるなど、両者は互いに補い合う関係にありました。また、新印象主義の目的や理論をまとめた「ドラクロワから新印象主義まで」(1899年)は、シニャックの重要な著作として知られています。 |
「サン=トロペ、グリモーの古城」 1899年 |
1891年のスーラの死は、シニャックにとって大きな打撃でした。 |