安らぎの理想郷江戸時代、中国・明清の文化を学んだ文人たちは、師や友との交流、旅の実践をとおして、胸中にわきあがる理想の自然を、詩や書画に表現しようとしました。屈指の文人として名高い田能村竹田(1777〜1835)も、故郷の九州・豊後竹田(大分)から京都への旅を重ね、頼山陽や浦上玉堂らと交遊、旅や交友から心の眼を得て、繊細透明な書画の数々を生み出し、弟子たちを育みました。 弟子の帆足杏雨の家(富春館)に伝わった作品群は、まさにタイムカプセル。竹田の代表作(重要文化財26件)や、杏雨・草坪・直入など弟子たちの優品、彼らが学んだ中国絵画、狩野派・大和絵などの日本絵画から構成され、大分市美術館に所蔵されています。 この富春館伝来品を、初めて東日本で公開します。展示構成は、1.竹田絵画の輝き 2.弟子たち・周辺への波及 3.伝来の中国絵画 4.伝来の狩野派・大和絵。全64件により、竹田をめぐる絵画世界を総合的に紹介します。竹田の清らかな書画、美しい理想郷は、あなたの心をきっと癒してくれるはずです。 |
会期中イベント |
■特別講演会午後2時〜3時30分 講堂(入場無料、申込不要)10/8(土) 「文人・田能村竹田」 宗像健一氏(大分市美術館学芸顧問) 10/29(土) 「竹田絵画の魅力」 黒田泰三氏(出光美術館学芸課長) ■学芸員による作品解説10/15(土)・10/23(日) 午後2時〜 展示室にて■技法セミナー11/3(木・祝) 午後2時〜3時30分 実技室(参加無料・申込不要)「墨色にふれる〜墨と和紙の出会いから」 講師:小松謙一氏(日本画家) ※紙の上で墨がにじんでいく様子とか、墨や紙の種類によってにじみ方、色の広がり方が違うことを、実際の筆と墨を使って会場で実演していただきながらお話いただきます。 |
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