開山夢窓国師650 年 《大本山相國寺・金閣・銀閣秘宝展》 6月8日(土)〜7月14日(日)
待ちに待ったサッカーのワールドカップ(2002 FIFA ワールド・カップ)も、もうすぐ。サッカー王国の当県はもちろん、日本中が熱くなる季節になりそうですが、この時期には海外からたくさんのお客様をお迎えすることにもなります。家にお客様をお招きするとき、我が家「とっておき」の大切なものを客間に飾ってお迎えしますよね。当館でも日本文化の最高峰をご紹介する展覧会を開催し、外国のお客様をお迎えすることになりました。 それは、京都・五山のひとつ相國寺と、その末寺である金閣寺・銀閣寺の秘宝を一堂に公開する展覧会です。相國寺の開基=夢窓国師(夢窓疎石)が1351年に示寂されて650年、その遠忌を機に、所蔵寺院から格別のご配慮をいただき、秘宝の品々を当館で公開することが実現したのです。 相國寺は、室町幕府の三代将軍、足利義満によって造営された禅宗寺院で、室町時代を通じて将軍家と強いつながりをもち、禅宗とともに中国から茶の湯や水墨画を取り入れ、室町文化の興隆に大きな役割を果たしました。また、金閣寺(鹿苑寺)、銀閣寺(慈照寺)は、それぞれ足利義満、義政の趣向を反映した北山文化、東山文化の象徴として、あまりにも有名です。 展覧会では、こうした相國寺と金閣・銀閣に伝わる寺宝から優品をよりすぐり、 重文《足利義満像》、禅宗絵画、墨蹟、文正筆《鳴鶴図》ほか中国渡来の絵画、茶道具など、室町文化の華を紹介します。それだけではありません。桃山時代の巨匠・長谷川等伯筆《竹林猿猴図屏風》、江戸初期の狩野探幽筆の花鳥図衝立など不朽の文化財がならび、さらに、あの超個性派、伊藤若冲の大作、金閣寺の水墨障壁画35 面が寺外で初めて一挙公開されます。 室町時代から江戸時代におよぶ日本文化の精華、全94件。なかには国宝1件、重要文化財18件が含まれます(会期中、展示替えがあります)。 日本の良質の伝統文化にふれる絶好の機会。けっして見逃されませんように。
(当館主任学芸員 山下 善也)
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