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遙かなるイスタンブール
《大トルコ展 ―文明と美術―》

4月17日(水)〜5月30日(木)


アナトリア文明からギリシア・ローマ、オスマン・トルコなど
7000 年にわたる美の遺産600 点

 近年、日本からトルコへの旅行者が増えているといいます。ヨーロッパとアジアが交差するこの国の独特な雰囲気、またその多様な文化にエキゾチックな魅力を感じるからでしょう。また宮殿と寺院と遺跡の国トルコは、ノアの箱舟、トロイの木馬、ミダス王伝説、アレクサンドロス大王の遠征、聖母マリア最後の地、十字軍など、神話と伝説に彩られた国としても知られています。しかし長い歴史の中で様々な国の盛衰と民族・宗教の交差をみたトルコについて、具体的なイメージが湧きにくいという人もいるかもしれません。

 本展は、紀元前6 千年紀に小アジアに華開いた古代アナトリア文明からギリシア・ローマ文明を経てセルジュク朝、イスラム文明へと続く7000年におよぶトルコの文明と美術を紹介するもので、やや複雑なトルコの文化と歴史の全貌を知るには格好の機会といえましょう。展覧会は以下のように構成されています。

  プロローグ  女神・聖母・女性たちの7000 年
  第1章 トルコ美術の夜明け アナトリア文明
  第2章 古典美と多神教 ギリシア・ローマ美術
  第3章 イコンとキリスト教 ビザンティン美術
  第4章 文様とイスラム教 セルジュク・オスマン美術
  エピローグ 儀式と美術 コーヒーセレモニーと婚礼の入浴

 イスタンブールにあるサドベルク・ハヌム美術館の所蔵品より、あらゆる時代と分野(彫刻・工芸・染織・宝飾品など)から選び抜かれた621 点が、トルコの文明と歴史を解き明かします。古代の遺物から、トルコを象徴する優美な美術品までその展示品は多彩です。この機会にぜひトルコの華麗なる美の遺産をお楽しみください。

(当館主任学芸員 飯田 真)

大トルコ展-文明と美術-

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