●本の窓
『ディズニーランドという聖地』
能登路雅子 著
岩波新書(新赤版)132、1990年
東京ディズニーランドの設立に関わった著者が、その経験をもとに冷静な考察と生き生きとしたエピソードによってディズニー世界の舞台裏を紹介しています。著者によれば、元祖ディズニーランドは、アメリカ文化の根源である「フロンティアを求める精神」を基盤としたもので、「自分たちの文化や理想を最もシンプルに、かつ誇らしげに表現した場所」としてアメリカ大衆に支持され、ついにはディズニーランドそのものが、ヨーロッパ起源のエリート文化を押しのけて、アメリカの文化的象徴となったといいます。古い本ではありますが、人々のアイデンティティの拠り所となりうる「文化」というものが作り上げられてゆく過程を示す興味深い一冊です。
(当館学芸員 村上 敬)
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