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バレエ・イン・ザ・美術館 深沢和子によるバレエヘの昭待
 静岡県立美術館のロダン館は、来年開館10周年を迎えます。これに先立つプレ・イベントとして、ロダンをより深く知るための、「VlVA!RODlN−ロダンヘの4つのオマージュ」と題した多様なプログラムが開催されました。ロダンといえば、何といってもエネルギーと躍動感あふれる彫刻をまず思い浮かべますが、その他にも多彩な芸術活動を繰り広げました。バレエとの関わりもその一つです。早くからダンスヘの興味を抱いていたロダンは、晩年にはバレエ・リュス(ロシア・バレエ)に夢中になり、その花形ダンサーだったニジンスキーを「芸術家の理想のモデル」とまで呼んでいます。
 今では、美術館でのコンサートやダンスの公演は日常茶飯事ですが、それ用のステージではない場所でバレエ公演を行なったのは、恐らく当館が初めてではないでしょうか。「ロダン館でバレエを!」という着想が現実となった背景には、この試みに興味を示し、かつ深い理解を示してくださったバレエ団芸術座の深沢和子氏のご協力がありました。
 当日(9月27日)は、3演目を各2ステージの計6回公演というハードなスケジュール。講堂での「パ・ド・カトル」に始まり、当時ロダンを魅了した「薔薇の精」をロダン館で、最後に当館の建築構造に合わせて振り付けされた「ショット・ストラヴィンスキー」がエントランスで踊られました。
 美術館では、どうしても静的な芸術が主役になりがちですが、この日は、「彫刻とダンスの融合」という、芸術の境界を越えた、まさしく芸術の秋にふさわしい1日となりました。
(当館主任学芸員 南 美幸)
《地獄の門》の前での
「薔薇の精」
19世紀のロマンティック・バレエ
「パ・ド・カトル」


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