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花鳥風月-屏風絵の世界
-「和」空間を楽しむ重要文化財2件を特別公開!-
2005年12月23日(金・祝日)〜2006年2月12日(日)


 「和」。「和らぐ」と書いて心やわらぎ、「和む」と書いてなごみ、「平和」であることの幸せを感じる。そうありたい新春、いかがお過ごしですか?そういえば、算数で「1+1の和は?」とも言いますね。美術や芸術の世界では、その答は2とは限りません。3になったり無限大になったり、自由自在です。ちょっと脱線しました。

 このたび「和風」にこだわり、「花鳥風月」を描く屏風、あわせて富士山を描いた名画を特集展示します(一部掛幅を含みます)。

 花鳥風月とは、「自然の美しい風景」あるいは「自然を相手に詩・絵画などをつくる風雅な遊び。風流」(大辞林)のこと。屏風は、文字どおり「風を屏ける」ためのもので、風をさえぎり、座敷を間仕切るために用いられる調度品です。

 何枚かのパネルを蝶番でつないで折りたためるようにした屏風の形式は、飛鳥時代に中国から伝わったものですが、もとはパネルごとに縁取りがなされ絵が描かれていました。鎌倉時代にはパネル2枚ごとの縁取りもみられるようになりますが、全体として絵がつながるようにしたのは室町時代の日本の工夫です。以降、江戸時代から近代まで、屏風によって大画面の迫力と魅力を楽しめるようになりました。

 大画面に繰り広げられた花鳥風月の世界、富士山の絵、新春をことほぐタイムリーな企画。魅力いっぱいの「和」空間をお届けします。心ゆくまでお楽しみください。


雲谷等顔筆《春夏山水図屏風》「春」[重要文化財]桃山時代(個人蔵)
狩野元信筆
《富士参詣曼荼羅図》
[重要文化財]室町時代
(富士山本宮浅間大社蔵)

【展示構成】1.吉祥の間 2.富士の間 3.花鳥の間-艶 4.花鳥の間-粋 5.物語・風景の間

【出品内容】国指定重要文化財2作品、狩野元信筆《富士参詣曼荼羅図》(富士山本宮浅間大社蔵)および雲谷等顔筆《春夏山水図屏風》(個人蔵)を特別公開!その他、狩野山雪《四季花鳥図屏風》、伊藤若冲《花鳥蔬菜図押絵貼屏風》、長沢蘆雪《赤壁図屏風》など、当館所蔵・寄託作品から42点を特集展示します。

(当館主任学芸員 山下善也)

information 
●観覧料

一般・大学生 500円(400円)
小・中・高生 200円(100円)
70歳以上無料
*( )内は20名以上の団体料金


●学芸員による作品解説

いずれも13時〜展示室にて1/14(土)、1/22(日)、2/11(土)


●講演会シリーズ:風景を考える

いずれも14:00〜15:30 講堂にて
A2/5(日)「(題未定)」鈴木博之氏(東京大学教授)
B2/12(日)「名所観の形成と展開」長谷川成一氏
(弘前大学教授)




 


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