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心の風景 名所絵の世界

2007年11月9日(金)〜12月19日(水)


野外で美しい風景をスケッチし、それをもとに絵を描く。多くの現代人が描く「風景画」のイメージでしょう。しかし、日本の伝統にはこれとは性格を異にする風景表現がありました。元来、日本各地の「名ある所」を、和歌のイメージに即して描いた絵画で「名所絵」とよばれました。名所絵は、平安時代に生まれて以降、大和絵系の絵師を中心に継承され、時代を超えて大きな伝統になりました。中世・近世そして近代と、表現方法は多彩な展開を遂げますが、「名所絵」の伝統は日本の風景を描くさまざまな絵画で息づいています。それほどに、日本人の風景観に深く根ざしたものといえましょう。

この展覧会では、多彩な名所絵の名品を室町から江戸時代に制作された作品を中心に紹介します。描かれたのは、「松島」「天橋立」「厳島」「和歌の浦」のほか、京都や近江など各地の名勝です。「富士・三保松原」や「蔦の細道」など静岡ゆかりの名所絵も数多く出品されます。これらの風景には、文学や伝承など、長い歴史の中で培われてきた文化が蓄積されいます。

こうして文化に思いを馳せながら、多くの絵師によって描き継がれた名所絵、この機会にその多彩で魅力あふれる世界をお楽しみください。

(当館学芸課長 飯田 真)


雪舟《天橋立図》(国宝) 室町時代 京都国立博物館蔵
(展示期間:11月25日まで)



《富士三保松原図屏風》右隻部分 室町時代


円山応挙《京名所図屏風》部分 寛政元年(1789)
MIHO MUSEUM蔵


information 
●観覧料
一般・大学生 800円(600円)
小・中・高校生 400円(300円)
70歳以上無料
※()内は20名様以上の団体および前売料金

関連イベント
●特別講演会(講堂にて、聴講無料、申込不要)
11月18日(日)14:00〜15:30
「名所絵と旅と風景」
講師: 鈴木廣之氏(東京学芸大学教授)
11月23日(金祝)14:00〜15:30
「名所から景観へー京都東山をめぐる考察ー」
講師: 並木誠士氏(京都工芸繊維大学大学院教授)

●鑑賞講座(講座室にて、聴講無料、申込不要)
12月9日(日)14:00〜
「名所絵の世界」
講師: 飯田 真(当館学芸課長)

●学芸員によるフロアレクチャー(作品解説)
11月25日(日)、12月2日(日)14:00〜
(観覧料が必要です)




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