●本の窓
『だまされる視覚 錯視の楽しみ方』
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北岡明佳著 株式会社化学同人 2007年1月20日第1版第1刷 DOJIN選書001
こりゃ面白い。かねてから私、理屈ヌキにびっくりさせられるような作品が大好きなのですが、本書にはそんなイメージが満載です。書物に掲載されている図ですから、もちろん静止画像なのですが、見ていると形がぐるぐる回り始めたり、歪んだり、ついには点滅するものまであるのです。この本、こういった視覚の錯覚によるデザインやその仕組みを、丁寧に解説してあります。本書によると錯視デザインとは「錯視が意図的に含まれている図で、その図にはその錯視があることが指摘されていて、しかもデザインすなわち著作権が発生するようなレベルの作品となっているもの」であり、著者の北岡氏は「錯視デザイナー界の事実上のオンリーワン」だとのこと。「だまされた人が喜ぶのは、世界広しといえども、奇術とだまし絵と錯視デザインくらいのものである」とも述べておられることですし、皆さん、是非だまされて、びっくりしてみようではありませんか。
(当館学芸員 新田建史)
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