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						| 「ガンダーラ美術とバーミヤン遺跡」展 
 2007年12月28日(金)〜2008年3月30日(日)
 
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									|  《交脚菩薩像(束髪型)》
 平山郁夫シルクロード美術館蔵
 
 |  《仏頭》ストゥッコ(漆喰)
 個人蔵
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									|  《仏三尊像》 阿含宗蔵
 
 |  ガンダーラというと、かつて流行したゴダイゴの曲を思い出す人も多いでしょう。「はるかな世界」と歌われた「愛の国ガンダーラ」。極東の日本から中国、インド、中央アジア、アラブと広がる広大な大陸と、そこに生きる人々、そしてはるか昔のシルクロードの繁栄・・・。想像ははてしなく広がります。でも、「どこかにある」「どうしたら行けるのだろう」という歌詞のとおり、ガンダーラがどこなのか、答えられる人は少ないかもしれません。
 
 ガンダーラとは、現代のパキスタン北部の町ペシャーワルを中心とした地域を指す古い地名です。紀元1世紀から3世紀ごろにかけて、地中海のローマ世界とインド、中国とを結ぶ、ユーラシアの東西交易の要(かなめ)でした。それはまた、東西の文明が出会う、文化交流の場でもあったのです。ガンダーラ美術の最大の特徴は、仏像というものが初めて作られたことでしょう。インドから仏教が伝わり、そこにギリシャ・ローマの彫刻技法が結びついて、はじめて仏というものが、目に見える像として造られたのです。それゆえガンダーラは、中インドとともに仏教美術の故郷のひとつとされています。仏像のほかにも、たくさんの菩薩像や仏伝浮彫、守護神などの彫刻が作られ、仏教寺院を飾りました。ギリシャ・ローマ、インド、イランなどの諸文化を融合させ、多様で豊かな造形を生み出しました。
 
 ガンダーラ美術はその後、時代的にも地域的にも大きな広がりを見せ、現代のアフガニスタンにある、バーミヤンへと伝わり、その渓谷に無数の仏教石窟寺院が造られました。「西遊記」のモデルとなった唐の仏僧、玄奘三蔵は、7世紀前半にこの地を訪れ、金色に光り輝く巨大な大仏や活気に満ちた僧院について記しています。
 
 
 
								
									|  バーミヤン西大仏(破壊前)
 
 |  バーミヤン西大仏(破壊後)
 |  時は流れて、2001年3月、バーミヤンの2体の大仏が、イスラム原理主義集団タリバンによって破壊され、世界に大きな衝撃を与えました。何千年ものあいだ人々を見守り続けた貴重な遺跡、文化財が、一瞬にして失われたのでした。タリバン政権崩壊後、ユネスコ主導のもと各国が連携してバーミヤン遺跡の修復、保存事業を進めています。資金援助、学術調査、流出文化財の保護活動など、日本は大きな役割を果たしています。2003年にはバーミヤン渓谷の遺跡全体が、世界遺産に登録されました。
 
 本展覧会は、当館の宮治昭館長の企画、監修により、ガンダーラ美術とバーミヤン遺跡の全貌をご紹介するものです。実は、日本は本国パキスタンに次いで、世界最大のガンダーラ美術のコレクションを有しています。本展は、これらを調査、厳選し、未公開品や、戦乱によって行方不明になっていた作品などを多数出展します。これは国内コレクションを集大成する初の試みと言えるでしょう。またバーミヤン大仏のかつての雄姿と、貴重な石窟や壁画を写真パネルや資料によってご紹介します。破壊後の保存、修復作業によって判明した最新の研究成果が、バーミヤンの謎に迫ります。さらに中国新疆の大谷探検隊の収集品も展示し、シルクロードの仏教美術の全体像を提示します。
 
 なお、冒頭に述べたゴダイゴのボーカル、タケカワユキヒデ氏が、本展のためのイメージミュージックと会場の効果音を作曲します。会場内でかすかに聞こえる環境音もぜひご清聴ください。
 
 (当館主任学芸員 堀切正人)
 
 
 
								
									| information |  
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												| ●観覧料 |  
												| 一般・大学生 1,200円(1,000円) 小・中・高校生 600円(500円)
 ※( )内は団体20名様以上および前売り料金
 ※70歳以上無料
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												| ●休館日 |  
												| 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館) 12月31日(月)、1月1日(火)
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												| 会期中イベント |  
												| ●特別講演会 |  
												| 1月6日(日) 特別協賛:清水銀行 「ガンダーラの遺跡と美術」
 講師:宮治昭(静岡県立美術館館長、龍谷大学特任教授)
 14:00〜15:30 講堂にて 定員250名(要申込)
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												| ●連続講演会「ガンダーラ博士を目指そう」 |  
												| ※以下の講演会のうち、4回を受講すると、本展監修・宮治昭 館長の修了証書と本展招待券がもらえます。
 ※いずれも14:00〜15:30  講堂にて 聴講無料 申込不要
 
 1月13日(日)
 「ガンダーラの仏伝美術」
 講師:小泉惠英氏(東京国立博物館主任研究員)
 
 1月27日(日)
 「ガンダーラ美術と東西文化交流−神像表現を中心に」
 講師:田辺勝美氏(中央大学教授)
 
 2月10日(日)
 「大谷探検隊の西域調査」
 講師:入澤 崇氏(龍谷大学教授)
 
 2月24日(日)
 「世界遺産バーミヤン仏教遺跡の今昔」
 講師:前田耕作氏(和光大学名誉教授)
 
 3月9日(日)
 「ほとけの道−ガンダーラからバーミヤンへ−」
 講師:山田明爾氏(龍谷大学名誉教授)
 
 3月16日(日)
 「バーミヤンの仏教美術」
 講師:宮治昭氏(静岡県立美術館館長、龍谷大学特任教授)
 「バーミヤン大仏の最後を撮る」
 講師:菅沼隆二氏(写真家)
 
 3月23日(日)
 「バーミヤン遺跡保存の現在」
 講師:山内和也氏
 (東京文化財研究所 文化遺産国際協力センター 地域環境研究室長)
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												| ●ロダン館ミュージアムコンサート |  
												| 「ガンダーラの響きは地平を越えて」 バーンスリー(横笛)奏者:HIROS
 タブラー(太鼓)奏者:クル・ブーシャン・バールガヴァ
 日程:1月19日(土)
 場所:静岡県立美術館ロダン館
 時間:14:00〜15:30
 申込み不要
 特別企画展観覧料、または収蔵品展観覧料が必要です。
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