日本美術史の先生が「すはま」を買ってきてくださったことがあります。すはま団子ではなく、棹菓子のすはまです。なぜ先生がすはまを買ってきてくださったのかというと、実はお菓子のすはまは日本美術と深い関係があるからなのです。
日本美術では、波打ち際の砂浜を州浜と呼びます。棹菓子のすはまは、断面がこの州浜の形をしているためにそう名付けられました。日本美術の言葉は「州浜」のように耳慣れな
いものも多いですが、それらの言葉をわかりやすく解説してくれるのが本書です。言葉を知れば、日本美術がもっと面白くなります。ぜひお手に取っていただきたい一冊です。
(当館学芸課臨時技術員 大原由佳子)