幾何学的な画面構成、新図様の宣言
左隻
右隻
狩野山雪 《富士三保松原図屏風》
17世紀前半(江戸初期)
紙本墨画金泥引、六曲一双屏風
各153.5×360.0cm
文献:7,25
清水港ごしの富士で、右隻の連山は愛鷹山、左隻近景は清見寺。基本図様は、伝雪舟画を継承するが、景物を平行・相似の関係におき、垂直線や「へ」字型を反復する幾何学的な画面構成、復興後の姿の清見寺伽藍の描写は特有。署名「山雪始図之」は新図様宣言だ。
狩野山雪(1590〜1651)狩野山楽を継ぐ京狩野第二代。形態の執拗な追求、意匠性のつよい造形など、個性派絵師として評価が高い。