コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

富士山カレンダー。幕府の御用絵師特製。


狩野惟信(養川) 《富嶽十二ケ月図巻》

1781-94(天明元-寛政6)
紙本着色
27.4×1083.3cm

季節の景物、情感を盛りこみつつ、1月から12月まで月順に変化させた連作の富士図。月次絵という平安時代以来の大和絵の伝統形式に基づく絵巻で、全長10メートルを超える。柔らかな筆致、濃淡の墨と彩色の調和、その繊細優美さ、抜群の筆技を味わいたい。

狩野惟信(養川)(1753〜1808)木挽町狩野家第七代の幕府御用絵師。十代将軍家治、田沼意次に厚遇され、門弟の教育にも力を注いだ。

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