油絵だけでない、江漢晩年の気品ある富士山
司馬江漢 《長沼村富士眺望図》
1804-18(文化年間)
絹本淡彩
38.5×70.0cm
現静岡市葵区長沼から望んだ景。手前の丘陵は谷津山。実際には画面右外に小さく見える富士山を、江漢は画中に大きく取り込んだ。淡彩・淡墨による瀟洒な画風は油彩画とは異なるが、江漢は晩年こうした富士図を多く描いた。江漢が滞在した藤枝・大塚家伝来。
司馬江漢 (1747〜1818) 江戸で活躍した洋風画家。日本最初の銅版画制作に成功、また油絵も手がけるなど多数の洋風画を制作。