コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

簡略な筆致で表す立体感

岸駒 《芙蓉峰図》

19世紀前半(江戸後期)
絹本墨画金泥引
98.2×143.0cm
文献:52

大画面に富士山を大きく描き出し、荘重な趣を出す。余白の多い簡略な画面ながら、震えるような運筆には岸駒の特徴がよくうかがえる。画面右上は有栖川宮八代・幟仁親王による和歌賛。「立なひく雲よりうへに白雪のみゆるはふしの高根なりけり」

岸駒 (1749〜1838) 江戸後期の京都を中心に活躍した岸派の祖。虎図で有名。

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