女人登山の貴重な記録
歌川芳幾 《富士山北口女人登山之図》
1860 (万延元)
紙、木版、色摺(三枚続)
各36.0×25.1cm
西楽堂寄贈
「庚申縁年」の富士登山の賑わいを描いたもの。60年に一度の庚申の年、各登山口の浅間神社では、これを記念する祭礼がおこなわれ、また各地に建札を掲げ登山を奨励した。この年には多くの女性が入山した。本図は万延元年の様子を描いた貴重な資料。
歌川芳幾(1833〜1904) 歌川国芳の門人。本姓は落合。幕末期には三代豊国風の風俗画を描くほか、洋風版画も手がけた。