コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

山の清浄な生気滴る

村上華岳 《春峰晴煙図》

1928(昭和3)
紙本淡彩
43.7×60.9cm

全体に青みをかけた中、部分的に青墨や薄茶を添え、春霞に包まれる山容を描く。柔らかな描線の震えるような律動が、山の穏やかな生気を表す。遠山の青も美しい。現実感を昇華させた上での抑制された表現に、独特の感性が冴える。

村上華岳(1888〜1939) 国画創作協会会員。京都、神戸を中心に活動し、仏画や山水画などに精神性の高い孤高の世界を追究した。

一覧へ