自らの故郷を描く、というのは、自画像を描くのに似ているかもしれない。時に美化し、賛美するが、時には凝視し、抉り出し、突き放しもする。
何かを描くためには、どうしても一歩後ろに下がり、目を走らせる広がりが必要である。画家が故郷を描くなら、そこには居ながらにして故郷を離れた旅人の憂いがあるかもしれない。たとえ身体に染み込んだ故郷の水が、筆先から自ずとにじみ出るような絵であったとしても。
私たちはそこに洋の東西を越えた郷愁を感じ、胸の奥底に降り積もったものの間から、小さな泉が澄んでいるのを見出すのであろう。
このパートでは、画家たちが見た故郷の風景をご覧いただくことにしよう。
キラリと輝く金の葉脈、洒脱な水墨画
春の夕のおぼろげな空気、季節の情趣たっぷりに。
雨の香りただよう名品—抒情味あふれる「光線画」
洋と和の不思議な融和
繊細な光の祝福に包まれる
山の清浄な生気滴る
ありふれた風景の魅力
池面が映す壮大な時間と空間
何気ない素材が絵になる
春の雪って、たしかにこんな感じ
でんとした山の大きさ
時雨そぼ降る古色蒼然の村
画面に宿る光
旅の街道、茶屋でのワンシーン
登山家が見た日本のアルプス
欧米人が高く評価した日本の水彩画
水彩画の技、冴える
堅固な構成と優雅な色彩。大家の貫祿を示す名品。
貧困の中で描かれた入魂の大作
オランダを描く基本:層をなす雲、水、そして風車
モノクロームが捕らえた広大な宇宙
白黒で表現した、時の移ろい・穏やかな光景
淡々とした日常。画面ににじみ出る自然への愛情。
手を伸ばせば、そこにある風景
山村風景に溢れるリアリズム
本当にモンマルトルの丘?
さわやかな港の風景に印象派の清新な息吹が重なる
緻密なスケッチの訓練
近代人ゴーギャンによる牧歌的風景画の再解釈。
転居がもたらした新しい風景画
まるで宝石のような…