コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

池面が映す壮大な時間と空間

徳岡神泉 《雨》

1964(昭和39)
紙本着色
110.7×143.7cm
文献:49,51

大小の石を見下ろす構図は安定と永続性を思わせるが、池面にわずかな波紋を広げることで、今まさに雨が降り始めたその一瞬の緊張感を閉じ込める。簡潔な構図の中に、モチーフと時間と空間との豊かな関連が取り込まれ、懐の深い画面を作り出した。

徳岡神泉(1896〜1972) 竹内栖鳳に師事し、官展を中心に活動。限定した色とモチーフによる簡潔な構成により独自の花鳥画を描く。

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