コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

画面に宿る光

岡鹿之助 《観測所》

1951(昭和26)
キャンヴァス、油彩
65.1×80.3cm

筆触をぼかし、色とマチエール(絵肌)の微妙な調和をはかる岡の点描法は、まったく独特のものである。印象派の点描が、鑑賞者の目を射るようにきらめくのに対して、岡の作品は、静かに光を吸収し、反射する。光は、その絵肌に、かりそめの安らぎを得る。

岡鹿之助(1898〜1978) 東京生まれ。渡仏後、独自の点描表現を開拓。理知的な制作と静謐な画面構成で特異な地位を築く。文化勲章を受章。

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