コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

本当にモンマルトルの丘?

アレクサンドル=イアサント・デュヌイ 《パリ、マドレーヌ大通りの窓からの眺め》

1798-1805
板、油彩
20×27cm

本作の遠景に描かれているのは、板の裏側にある書き込みから、パリの北側に広がるモンマルトルの丘と考えられてきた。しかし、現在の丘の形状との比較から、その説を疑う意見も聞こえている。屋根の傾きや壁の明暗、空の色調の変化には、自然を観察する眼の鋭さを感じ取ることができる。

アレクサンドル=イアサント・デュヌイ(1757〜1841)  フランスの風景画家。パリとその周辺をはじめ、ローマやナポリの眺めを描き、街の家並みや明澄な大気の再現に手腕を発揮した。

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