モノクロームが捕らえた広大な宇宙
レンブラント・ファン・レイン 《三本の木》
1643
紙、エッチング、ドライポイント
21.1×28.0cm
オランダには、山が無い。その広大な低地の中で、人々は水と戦い、親しみ、畑を作り、糧を得てきたのだった。この作品の暗い空はゆっくりと蠢いているけれど、手前の土手で三本の木は、あくまでゆるぎないのである。巨人のような自然。日々を生きる人間。嗚呼。
レンブラント・ファン・レイン(1606〜1669) オランダの画家、版画家。劇的な明暗表現による作品を数多く描いた。底知れぬ深みを持つ自画像は有名。