コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

温雅で端正な山水画—春琴の代表作

浦上春琴 《兢秀争流図》

1830(文政13)
絹本着色
55.6×121.0cm

群峰の秀を競う様を、曲折して下る水流、山路を行く人馬とともに描く。代赭、淡藍の彩色も効果的。当時舶載された中国蘇州派の画人謝時臣(1487-1557以降)等の画風に啓発されたものであるが、その温雅で端正な画風は春琴画の特質をよく示している。

浦上春琴(1779〜1846) 江戸後期に京都で活躍した文人画家。玉堂の長子。父に比べ温和な画風ながら画壇において重きをなした。

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