コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

緊張感ただよう画面—個性あふれる水墨表現

浦上玉堂 《抱琴訪隠図》

19世紀初(江戸後期)
紙本墨画
112.0×62.8cm

自由奔放な筆遣いが冴えた山水画の傑作。墨のトーンと運筆の変化を駆使し、ピンと張り詰めた緊張感をただよわせている。琴を抱えた高士が山中の隠者を訪ねるという画題は、琴士でもあった画家自身を重ねているのかも知れない。玉堂70歳頃制作の作品。

浦上玉堂(1745〜1820) 江戸後期を代表する文人画家。備中(岡山県)生まれ。50歳で脱藩、各地を遊歴後、京都を本拠に活躍。

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