コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

巨大空間の山水世界。迫力満点の力作。

狩野永祥 《山水図屏風》

19世紀後半(明治初期)
紙本墨画、六曲一双押絵貼屏風
各図136.8×55.0cm(総横各375)

各扇ごとに鑑賞できるが、全体一図としても鑑賞可能な「離合山水」。右から三扇ずつ四季が展開する。垂直・水平強調型の形態感覚は京狩野の伝統だが、うるさいくらいの描きこみ、鋭く速い筆致など、画面はじつに力強い。こんな絵が描ける絵師がまだいたとは!

狩野永祥(1811〜1886) 狩野永岳の養子で、京狩野家第10代。画業の詳細は不明。同時代の狩野芳崖に比べ無名だが、力量は芳崖に決して劣らない。

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