コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

湿潤な空気に包まれた中国・江南風景

竹内栖鳳 《揚州城外》

1922(大正11)
絹本着色
55.0×71.2cm

中景から遠景を作る石橋や人家が画面を引き締め、空間に深みを持たせる。潤いある淡い色面の広がりを生かして、前景の樹叢から運河のほとりの人々までを一つの景色の中に溶かし込み、しっとりとした叙情的な風景を作り出した。2度にわたる中国旅行の経験に基づく作品。

竹内栖鳳(1864〜1942) 近代京都画壇の中心画家。写生を基礎にした卓抜した技術をもとに軽妙自在な画境に至り、多くの後進を育てた。

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