夕暮れの水辺に染み入る羊飼いの笛の音
クロード・ロラン 《笛を吹く人物のいる牧歌的風景》
1630年代後半
キャンヴァス、油彩
99.7×133.3cm
署名も年記もないが、クロード初期の大作のひとつである。夕暮れの水辺に三人の羊飼いが集い、仲よく笛を楽しんでいる。中景に聳える大木の間には深い空間が開け、その深奥には橋と山々がうっすら現れている。クロードらしい静けさとやすらぎが満ちみちている。
クロード・ロラン(1604/5?〜1682) ローマで大成したフランス生まれの風景画家。牧歌的風景画や海港画をよく描き、後世の風景画家への影響力も絶大である。