軽やかな憧れ
ユベール・ロベール 《ユピテル神殿,ナポリ近郊ポッツオーロ》
1761
板、油彩
39.1×43.8cm
廃墟は何故、魅惑するのか? それは廃墟が、かつてそこで明滅した幾多の光景のネガであり、知らず人の心に過去を焼きつけ、遠い世界へと誘うからではなかろうか。ロベールの廃墟は暗くはならず、明るい南イタリアの空を背景に、軽やかで、そして朗らかである。
ユベール・ロベール(1733〜1808) パリ生まれの風景画家。20代をローマで過ごした。イタリア各地を旅行し、「廃墟の画家」なる異名を取った。