コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

廃墟をめぐる幻想

マルコ・リッチ 《神殿とゴシック教会のある廃墟の眺め》

1725頃
紙、エッチング
39.7×31.6cm

こちらは幻想の廃墟である。画家はスフィンクスやそびえ立つ神殿の廃墟など、お気に入りのモチーフを組み合わせて「何となく風情ある廃墟」の図を作り出している。現実であれ、架空のものであれ、彼方への憧れを宿した眼には、どちらも魅力的に映るのであろう。

マルコ・リッチ(1676〜1730) ヴェネツィア出身の風景画家。古代の廃墟と同時代の風俗とを組み合わせた画風で人気を博した。

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