この世ならぬはかなさを表現した版画技法の極致
ケル=グザヴィエ・ルーセル 《風景》
1900頃
紙、リトグラフ・多色刷り(6枚組)
40.6×52.7cmほか
こまやかで震えるような筆致を用い、重さを感じさせないはかなげな質感と精妙な光の調子を見事に表現している。本作は、セザンヌやルオーの評価をもたらした近代フランスの大画商ヴォラールの企画による版画集のために制作された。
ケル=グザヴィエ・ルーセル(1867〜1944) ナビ派で活躍、装飾的で神秘的な芸術を追求した。晩年にはニンフ(精霊)の森や浴女たちの泉などを多く描いた。