コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

大陸の大地を思わせる大らかな画面

山口長男 《脈》

1968(昭和43)
合板、油彩
182.2×182.2cm

合板の表面に、ペインティングナイフで、絵の具を幾重にも塗り重ねることによって作り上げた画面。厚みのある色面は、大らかで力強く、大陸の大地を思わせる。線状の盛り上がりによって区切られた黄土色の四角い面は、互いに押し合いながら外に向けて広がろうとしているかのようにも見える。

山口長男(1902〜1983) 韓国京城府(現ソウル)で生まれ育つ。合板に赤もしくは黄土色の絵の具を幾重にも塗り重ねることによって作り上げる、独特な色面構成のスタイルを確立し、日本の抽象絵画のパイオニアとしての地位を築いた。

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