コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

薄を透かして見る逆光の富士

東山魁夷 《秋富士》

1955(昭和30)
絹本着色
66.6×88.1cm

金泥の落ち着いた輝きの中、逆光で陰になった富士山の姿が浮かび上がる。遠山を印象的に表現するこの手法はこの頃の魁夷が好んで用いたもの。風景画家として知られる魁夷だが富士山図は意外に少なく、貴重な一品。

東山魁夷(1908〜1999) 横浜生まれ、神戸育ち。平明で温和な風景の中に詩情をにじませる、独自の風景画を確立。

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