最後の徳川将軍が描いた理想の風景
徳川慶喜 《風景》
1868-77頃(明治初期)
紙、油彩
31.0×45.0cm
山梨尚彦氏寄贈
徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜は、明治元年静岡に隠居後、この油彩による風景画を描いた。静かな山間の風景は、政治から一切身を引いて穏やかに暮らす慶喜の心中を映し出しているかのようだ。これまで国内には5点の油彩画が確認されており、本作は、6点目にあたる新発見作品である。
徳川慶喜(1837〜1913) 水戸生まれ。その後一橋家の家督を継ぐ。将軍就任後、大政奉還を成し遂げ、朝敵の汚名を着せられるが、蟄居謹慎後、復権、公爵の位を与えられた。