ダイナミックな構図の中に生命への慈愛
秋野不矩 《廻廊》
1984(昭和59)
紙本金地着色
151.3×101.0cm
ぎらつく陽射しが金箔の輝きに託され、対照的に強調される影の濃さとの対比が画面に律動感と奥行きを生む。遠近を強調した大胆な構図をまとめあげる構成力は見事。陽射しの強烈さを描きつつ、時が止まってしまったかのような森閑とした空気をも表現し得る、底深い力量が示された不矩の代表作。
秋野不矩(1908〜2001) 天竜生まれ、京都で活動した日本画家。「創造美術」結成に参加。インドを題材にした力強い作品を残す。