コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

簡素な形態と魅力的な質感で無国籍都市上海を表現

伊藤勉黄 《上海の裏町》

1945(昭和20)
紙、木版
38×28cm
伊藤さつ代氏寄贈

上海の裏町を木版画ならではの質感で描いている。ざらついた壁の表現などは後の作品に見られる重厚さを予見させる。昭和14年(1939)、伊藤は従軍記者として上海へ渡航しているが、本作はその印象をもとに制作された作品である。

伊藤勉黄(1917〜1992) 大井川町生まれの版画家。静岡県版画協会の創立に参加するなど、静岡の創作版画の振興に寄与した。

一覧へ