漁師の家を独特の作風で描く
高畠達四郎 《漁師の家》
1958(昭和33)
キャンヴァス、油彩
72.0×90.7cm
蔵のある漁師の家を紫灰色で厚く平塗りされた画面に大きく描く。全体を平面的に処理した画面に、人物を極度に矮小化してシルエットで描き出し、前景の家、船が作り出す小さな陰と呼応させることで、画面に奥行を生み出している。作者の手になる2年後の《伊豆須崎の家》によく似た民家が数軒見られることから、本作も同地で制作された可能性が高い。
高畠達四郎(1895〜1976) 岡田三郎助に絵画を学ぶ。パリに渡り、佐伯祐三らと交流。帰国後は、独立美術協会の創設に参加した。