超高速は止まって見える?
菅井汲 《Masse Noire》
1964(昭和39)
キャンヴァス、油彩
195.0×130.0cm
黒い円が移動しながら4つの痕跡を残したのだと想像してみよう。しかも、車のホイールのように、超高速で回転しながら動いたのだろうか。とするなら、この絵がもつエネルギーは、単純な見かけとは正反対に強大である。スポーツカーを乗りまわした作家でもあった。
菅井汲(1919〜1996) 神戸市生まれ。世界をまたにかけて活躍した戦後美術の
先駆者の一人。版画作品にも多くの秀作を残した。