ワッペンと似て非なるもの
磯辺行久 《WORK62-46》
1962(昭和37)
ミクスト・メディア
181.5×136cm
羅列されたワッペンは、もはや本来の貴族の紋章のような重い意味をもったものではなく、大衆的なイメージの産物と化している。にもかかわらず、それは重厚な素材で、ひとつずつ手作りされ、彩色されている。記号と意味や物質との関係を問う現代美術の秀品。
磯辺行久(1935〜) 東京生まれ。「ワッペン」「箪笥」などの作風で注目されるが、渡米して、建築やエコロジー
などにたずさわる。近年、美術家としての活動を再開した。