コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

風通しのいい彫刻

宮脇愛子 《作品》

1986(昭和61)
真鍮
119.0×115.0×17.0cm
田村てる靜氏寄贈

真鍮でできた角柱パイプを積み重ねた、格子状の構造物。一見無愛想な立体物に見えるが、ひとつひとつのパイプは固定されておらず前後に出し入れができる自由さを備えている。文字どおり風通しのよいこの彫刻は、自己完結することなく、パイプごしに見る風景や、ふりそそぐ光の変化によって見え方を柔軟に変える。

宮脇愛子(1929〜2014) 静岡県熱海市生まれ。早くより欧米の現代美術界に身をおき、同時代の動向を肌で感じ取りながら、絵画から立体へと作風を展開。作品が置かれる環境との関係を視野に入れた独自のスタイルを形成した。

一覧へ