江戸から明治になり、西欧から油彩画と油彩技法が日本に伝わりました。それ以前にも、司馬江漢などが、油彩画を制作していたものの、理念や技法・画材を含めて本格的に学び始めたのは、明治になってからのことでした。
まず、明治4年(1871)、高橋由一が物産会で油彩画を展観したのを始まりに、明治9年には、イタリア人教師フォンタネージを招いて、日本で最初の美術学校である工部美術学校が開校します。その後、黒田清輝がフランスに渡ったことで、西洋美術を学ぶ画家たちは次第に増えていきました。明治29年には開校当初日本画科のみだった東京美術学校に、西洋画科が設置され、その後、多くの画家たちを輩出しました。そして、大正から昭和期にかけては、西欧からポスト印象派、キュビスム、フォーヴィスムといった新しい理念や造形が伝わり、多くの個性的な作品が制作されるようになります。
日本近代美術史の中で、"日本人の油彩画"を描くことは、日本人洋画家たちにとって最も重要な課題であり、また到達すべき目標であったといえるでしょう。
本展では、我々日本人にとって、最も身近な「日本人の油彩画」をテーマとして、日本人洋画家たちが、どのように西洋伝来の油彩画(油彩技法)を受容し、またそれを用いて、日本の風土に適った作品を制作してきたのかを考えます。
開催期間 | 2012年 6月9日(土)〜7月22日(日) |
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開館時間 | 午前10時〜午後5時30分 ※展示室への入室は午後5時まで |
休館日 | 毎週月曜日 ※7月16日(月・祝)は開館し、翌7月17日(火)休館 |
観覧料 |
一般 600円(400円) 70歳以上 300円(200円) 大学生以下 無料 ※()内は20名以上の団体および前売料金 ※収蔵品展、ロダン館も併せてご覧いただけます。 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方は、無料。 |
特別講演会 |
「江戸の洋風画と明治の油彩画をつなぐもの」 7月1日(日)14:00〜15:30 志賀秀孝氏(府中市美術館学芸係長) ※申込不要・先着順・無料 当館講座室 「日本洋画のパイオニアたち 平賀源内から秋田蘭画、司馬江漢、高橋由一へ」 7月8日(日)14:00〜15:30 芳賀徹(当館館長、東京大学名誉教授) ※申込不要・先着順・無料・定員250名 当館講座室 |
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美術講座 |
「日本人の油彩画~なぜ、日本人は油彩画を描いたのか~」 6月24日(日)14:00〜15:30 泰井良(当館上席学芸員) ※申込不要・先着順・無料 |
学芸員による フロア・レクチャー |
6月10日(日)、7月15日(日) いずれも14:00~(各回30分程度) ※集合場所 企画展第1展示室 ※申込不要 ※本展観覧料が必要です。 |
大学生による ギャラリートーク |
7月7日(土) 14:00~/15:00~/16:00~(各回30分程度) ※集合場所 企画展第1展示室 ※申込不要 ※本展観覧料が必要です。 ●記者提供資料 ●参加学生による展覧会・当企画の紹介ブログ |