18世紀フランスの画家、ユベール・ロベール(1733-1808)は、21歳でイタリアに留学し、帰国後はパリを中心に精力的に活動しました。11年に及ぶながいイタリア留学中に、古代の神殿や凱旋門、ルネサンスやバロックの大建築やモニュメントを、自由に組み合わせて描く手法を習得し、現実と空想の狭間に立つ空想的風景画を創出しました。その一方で、自然のありさまや人々の営みをサンギーヌ(赤チョーク)で繰り返し活写しました。
帰国後の数十年は、王政末期からフランス革命へとむかう激動期でした。この間のロベールの活動は、多岐にわたっています。パリのサロンに廃墟画を出品し、「廃墟のロベール」と呼ばれただけでなく、「国王の庭園デザイナー」として庭園の設計にも関わりました。さらに、ルーヴル美術館の創設にも、ロベールは一役かっていました。
このたびの展覧会は、ロベールの素描コレクションで世界的に知られる南フランスのヴァランス美術館の全面的な協力のもとに実現しました。出品点数は、ロベール自身の作品に、クロード・ロラン、フラゴナール、ピラネージなど、17,18世紀の作品を加えた約130点です。本展は、ロベール芸術の魅力を日本で初めて紹介する待望の展覧会であると同時に、18世紀フランス美術をご堪能いただける貴重な機会です。古代への夢想と枯渇を知らない創意が織り成す絵画世界を、県立美術館で心ゆくまでお楽しみください。
開催期間 | 2012年 8月9日(木)〜9月30日(日) |
---|---|
開館時間 | 午前10時〜午後5時30分 ※展示室への入室は午後5時まで |
休館日 | 毎週月曜日 ※9月17日(月・祝)は開館し、翌9月18日(火)は休館 |
観覧料 |
一般 1,000円(800円) 70歳以上 500円(400円) 大学生以下 無料 ※()内は20名以上の団体および前売料金 ※収蔵品展、ロダン館も併せてご覧いただけます。 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方と付添者1名は、無料。 |
特別講演会 |
「ヴァトーからロベールへ-〈雅なる宴〉から〈崇高なる美へ〉」 8月19日(日)14:00〜15:30 大野芳材(青山学院女子短期大学教授) ※申込不要・先着順・無料・定員250名 当館講堂 |
---|---|
美術講座 |
「ルーヴルの画家、ユベール・ロベール」 8月26日(日)14:00〜15:30 三谷理華(静岡県立美術館上席学芸員) ※申込不要・先着順・無料・定員50名 当館講座室 「ユベール・ロベールとイタリア」 9月9日(日)14:00〜15:30 小針由紀隆(静岡県立美術館学芸部長) ※申込不要・先着順・無料・定員50名 当館講座室 |
学芸員による フロアレクチャー |
9月22日(土・祝) 14:00~ ※集合場所 企画展第1展示室 ※申込不要 ※本展観覧料が必要です。 |
同時開催 |
収蔵品展 「親子で見て感じる現代アート」 8月4日(土)〜9月17日(月・祝) |
主催:静岡県立美術館、 中日新聞東海本社、静岡朝日テレビ 学術協力:ヴァランス美術館
後援:フランス大使館 協力:エールフランス航空