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森鷗外と美術
明治、大正美術を支えた 友情と栄光の物語

11月7日(火)〜12月17日(日)


 文豪、森鷗外。軍医でありながら、数々の文学作品を残しました。一方、明治、大正時代の美術と深い関係があったことは、あまり知られていないかもしれません。鷗外は、作家たちが活躍する舞台を作り、支援する、いわばアート・プロデューサーだったのです。

  この展覧会では、そうした鷗外の活動を、次の2部構成でご覧いただきます。まず第1部「原田直次郎とともに」。ドイツ留学時代に知り合った洋画家・原田直次郎は、鷗外の生涯の親友でした。ともにミュンヘンで青春を謳歌し、帰国してからは日本美術の近代化のために、制作と評論で奮闘しました。鷗外の小説「うたかたの記」の主人公のモデルは原田です。しかし原田は36歳の若さで病に倒れます。鷗外はその顕彰のために展覧会を開催し、図録を編むのでした。鷗外が美術に関わり、尽力したのは、原田との固い友情があったからこそなのです。原田の作品を中心に、黒田清輝など鷗外が論評した作家の名品をご覧いただきます。

  第2部「鷗外の多面性」。鷗外は軍医として、最高位の軍医総監まで上り詰めます。鷗外が所属した陸軍衛生部と美術の関係を、肖像や戦傷図などで展覧します。また陸軍退役後、鷗外は帝室博物館(現東京国立博物館)総長、今でいうところの館長に就任します。蔵書整理や展示方法の改善などに手腕を発揮し、正倉院御物の研究者への公開も始めました。鷗外は今日の博物館行政の先駆者でもあったのです。

黒田清輝《智・感・情》 東京文化財研究所 重要文化財

また文部省展覧会(文展)の審査主任も長く務め、多くの作家たちを支援しました。作家たちとの交友は、互いに交わされた絵葉書や、鷗外の単行本の装丁などに見ることができます。原田のほかにも、ロダン、大下藤次郎、和田英作、宮芳平などの作家を、鷗外は自分の小説の中に登場させています。
鷗外と美術の関係を、総合的に取り扱う初めての展覧会です。ご期待ください。
(当館主任学芸員  堀切正人)


原田直次郎《靴屋の阿爺》
東京藝術大学大学美術館蔵
重要文化財


information 
観覧料

観覧料
一般・大学 800円(700円)
小・中・高生 500円(400円)
*( )内は前売り、20名以上の団体料金


関連イベント

実技講座「裸のこころで裸をみよう」

11月11日(土)・12日(日)
講師:藤原由葵(洋画家・美術博士)
詳細は、お問い合わせ下さい。

学芸員による美術講座「森鷗外と美術展について」

日時:11月18日(土) 午後2時〜3時
講座室にて 聴講無料

特別講演会「陸軍軍医学校と美術」

日時:11月19日(日) 午後2時〜3時
講師:陸上自衛隊衛生学校・彰古館担当者
講座室にて 聴講無料

学芸員によるフロアレクチャー「展覧会この1点」(予定)

12月3日(日) 午後2時〜3時
展覧会場にて 観覧料が必要です。

ボランティアによるギャラリートーク

会期中随時開催 観覧料が必要です。






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