J:日本 Japon
日本の近代美術史において、ロダンへの賛美と憧れを巡るエピソードには事欠かない。その芸術は、日本近代を代表する彫刻家である荻原守衛や高村光太郎に多大な影響を与えた。ロダンへの傾倒は文学界にも見られ、1910年にはロダンの70歳の誕生日を記念した『白樺・ロダン号』が刊行された。翌年、雑誌『白樺』の同人たちは、ロダンに北斎や広重などの浮世絵30点を贈呈し、喜んだロダンは返礼に、自作のブロンズの小品3点を寄贈した。以後、明治末期ころから始まった愛好家によるロダン作品収集は、大正期にますます盛んになった。松方幸次郎によるロダン作品の一大コレクションが形成されたのも、この時期である。また、ロダン作品の紹介も、白樺主催の展覧会や、フランス人画商エルマン・デルスニスが主催した「仏蘭西現代美術展」において広く行われた。 |
喜多川歌麿
《当時全盛美人揃 玉屋内小紫こてふ はる次》
1794年 ロダン美術館 |