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19世紀のフランス絵画は、ダヴィッドやアングルに代表される新古典主義と、ジェリコーやドラクロワに代表されるロマン主義の対立にはじまり、バルビゾン派、レアリスム、印象主義へと展開していったが、こういった運動を支えた画家たちと同等の名声を獲得した彫刻家は、実質的にはロダン一人であった。ロダン以前の19世紀フランス彫刻は、絵画ほど革新的でなく、ロダン自身も、古典古代、ゴシック、ネルサンス、バロックといった伝統に学び、着想を得ることが多かった。 しかしこの時代には、ロダンに及ばないまでも、かなり才能豊かな彫刻家たちが活躍していた。ドラクロワの友人であったバリーは、格闘する動物にロマン主義の画家たちを魅了した力の表現を見いだしたし、ロマン主義彫刻の旗手、リュードの甥にあたるフレミエは、異国趣味あふれる主題を、解剖学的知識に基づき写実的に表現した。 リュードを先達とするカルポーは、新古典主義の洗練された作風に、ロマン主義の生動感を加味して、形骸化したアカデミスムの打破をはかった。18世紀のフランス彫刻の伝統に学んだカリエ=ベルーズは、神話の人物を組み合わせたテラコッタ彫刻によって、1870年代のロダンに大きな影響を与えたし、ロダンの友人でもあったダルーは、親しみやすい風俗的主題によって、英国とフランスで大いに世評を高めた。 |
[展示作品]
【ロダン以前の19世紀フランス彫刻】 |
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ロダン館/展示作品リスト |
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