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《今、ここにある風景》
=コレクション+アーティスト+あなた
7月27日(土)〜9月8日(日)


大岩オスカール幸男・日高理恵子・吉田暁子・菱山裕子
4人のアーティストと当館コレクションがつくる4つの風景

 この展覧会は、4人の若手現代美術作家が、当館の収蔵作品約2000点の中から気になるものを自由に選び出し、それぞれ自分の作品とともに同じ空間に展示する、今までにない現代美術展です。キーワードは「風景」。これは当館の作品収集のテーマでもあります。4人の作家が自分流に「風景」という言葉と当館のコレクションを読み解き、自分の作品と対置させて行きます。
 大岩オスカール幸男氏は時代や環境の違いをもつ作品から共通点をみつけだし、自作の《戦争と平和》と狩野探幽の《一ノ谷合戦・二度之懸図屏風》を対置。日高理恵子氏は幅6mの《樹を見上げてVII》に草間彌生の白い網目を描いた《無題》を置いて、自身が追求する空間性の問題を考えます。吉田暁子氏はガラスケースの中に池大雅の《龍山勝会・蘭亭曲水図屏風》などを入れ、ガラスの上にインスタレーションを行って、見ることと気づくことを吉田流に提示。菱山裕子氏はロダン館で《バルザックの頭部》に《いない・いない・ばあ》をユーモラスに近づけます。これらは4人の展示のほんの一例。エントランスホールから展示室、ロダン館まで全館で、4つの視線とそれを見る観覧者との壮大なバトルが繰り広げられることになるでしょう。
 「風景」は風景画だけを意味するものではありません。コレクションがあり、作家が居、観覧者を迎える美術館そのものも一つの風景と考えます。それらをつなぐ「+」の役目をするのが企画者である学芸員と、地元学生を中心とするボランティア「ヒキダシタイ」です。展覧会を見たその「気持ち」を、忘れないうちにそっと引っ張り出して、ちゃんとお家に持って帰れる思い出にするお手伝いを「ヒキダシタイ」が企画。大人数を相手にしたワークショップではなく、見た人ひとりひとりの思いを大切にする、やわらかでパーソナルなプログラムです。
 あなたがいて初めて始まる「今、ここにある美術館」という風景。夏の思い出を1つ、今ここでいかがですか?

(当館学芸員 李 美那)

大岩オスカール幸男 《古代美術館》
1995年 豊田市美術館藏 キャンヴァス・油彩 (C)S.ANZAI

菱山裕子 《いない・いない・ばあ》
1996年 アルミニウム・
ステンレススチール・木  (C) 早川宏一

吉田 暁子《華背》(かせ)
2000年 オイル・岩絵の具・黒鉛・膠・時間を経た壁・その壁と同素材を使ったパネル・震えてカットされた特種キャンヴァス (C)佐々木悦弘

日高理恵子 《樹を見上げてZ》
1993年麻紙・岩絵具 (C) 内田芳孝

今、ここにある風景=コレクション+アーティスト+あなた
会 期:7月27日(土)〜9月8日(日)
入場料:一般・大学生 800円(600円)
小・中・高校生 400円(300円)
※( )内は団体20名以上、および前売料金
※収蔵品展、ロダン・ウイング、ブリッジギャラリーもあわせてご覧いただけます。



関連イベントのご案内
関連プログラム
「ヒキダシタイ」スタッフによるユニークな「今ここ占い」や「談話室」で、
あなたの『見た』を『思い出』に変えるプログラムが進行。ちょっと寄って行きませんか?
作家によるフリートーク
3人の作家が自作について観覧者と語るフリートークです。
(実技室・14:00〜・申込不要)
8月10日(土)日高理恵子
8月17日(土)菱山裕子
8月31日(土)吉田暁子
(日程は予定です。変更の可能性がありますので、美術館にお問い合わせ下さい)
鑑賞講座

・「今、ここ おいしい食べ方のすすめ」8/18 14:00〜
 李 美那(当館学芸員

*講堂にて 申込み不要

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