7月30日(火)から8月3日(土)までの5日間、夏休み子どもワークショップを開催しました。今年のワークショップは、対象を小学校1〜3年生の低学年、4〜6年生の高学年、中学生から大人までの3部に分け、昨年度購入した《音のかけら2》の作家、金沢健一さんにインストラクターになっていただき、直径50センチの小さな《音のかけら》の制作と《音のかけら》によるパフォーマンスを行いました。
ワークショップの最中は必ず、ピーンと糸の張ったような緊張感がありました。それは、音を良く聴くこと、耳をすますことから当然発生するのですが、それだけではありませんでした。一つにはインストラクターからの「あなたはどう思いますか?」という問いかけです。自分の考えをみんなの前でまとめて話すことから生まれる緊張感を体験しました。もう一つは、参加者又はインストラクターとの《音のかけら》による対話から生まれます。制作も気が抜けません。鉄を熔断するときの温度は1500℃。熔断が終わった作品を水で冷却する時も、もうもうと高温の水蒸気が立ち上がります。人前で発表すること。人と交わること。この二つは現代の子ども達が苦手とすることではないでしょうか。また、熱せられた鉄を持つ経験も初めてのことだったでしょう。子ども達がのびのびと楽しく過ごすワークショップもいいけれど、今回のような背筋が正しくなるようなワークショップもいいなと思いました。
作品の一部はしばらく美術館で預かって展示しました。《音のかけら》がそれぞれのもとへ届いたら、その音色と共にどんな思い出がよみがえるか楽しみです。
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