―江戸開府400年記念―
徳川将軍家展
9月20日(土)〜10月26日(日)
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今年2003年は、徳川家康が征夷大将軍に任じられ、江戸に幕府を開いてから400年になる記念すべき年です。家康から15代慶喜までの約260年、幕藩体制を確立し、全国の諸大名の頂点に君臨したのが徳川将軍家でした。江戸開府400年を記念して開催される本展は、徳川将軍家(宗家)伝来の資料を核にしながら、これまで紹介されることのなかった将軍家の実像に迫る展覧会です。
展覧会の構成は大きく4章に分けられます。第1章「徳川家康―将軍家にとっての家康像」では、家康遺愛品などにより、その人間像に迫るとともに、「東照大権現」、神君として崇敬された、将軍家にとっての家康像を紹介します。第2章「歴代将軍―二代秀忠から十五代慶喜」では、将軍家に伝来した歴代の肖像画をはじめ、自筆の書画や関連資料により、将軍の教養あふれる個性を浮き彫りにします。第3章「大奥女人―将軍ゆかりの女性たち」は婚礼道具や衣装などが展示される華やかなコーナーで、肖像やゆかりの品々より大奥を彩った女性たちを紹介します。第4章「公爵二代―明治以降の宗家二代」は、大政奉還後、公爵として活躍した二代を紹介する将軍家の近代史です。初代静岡藩知事を務めた第16代家達と第17代家正の知られざる実像を多くの初公開資料により紹介します。
このほか、「徳川将軍家重代の品」「徳川将軍家伝来の古文書」「徳川将軍家伝来の人形・細工物」のコーナーを設け、重要文化財「肩衝茶入 銘初花」はじめ将軍家秘蔵の資料をいろいろな角度から紹介します。
本展は家康ゆかりの岡崎、東京(江戸)を巡回し、最後に静岡で開催されることになりました。江戸時代は250年にわたり戦争のない平和な世を築いた世界的にも稀有な時代と言われています。江戸開府400年の記念すべき年に、あらためて江戸時代とは何だったか、その頂点にあった将軍家の歴史を通して考えてみることも面白いかも知れません。 |
(当館主任学芸員 飯田 真)
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太刀 銘 来国光
(重要美術品・10月13日まで展示)
徳川記念財団蔵 |
東照大権現像 天海賛
徳川恒孝氏蔵 |
肩衝茶入 銘 初花
(重要文化財・9月28日まで展示)
徳川記念財団蔵 |
旅櫛箱 和宮(静寛院宮)所用
徳川記念財団蔵 |
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