西洋画のジャンルでは、4点の版画作品を新たに購入。イタリアの作家、そしてオランダなどの「北方」で活躍した作家たちの作品が、各2点ずつです。前者は、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの《ローマおよびカンポ・マルツィオの地図》とマルコ・リッチの《神殿とゴシック聖堂のある廃墟の眺め》。後者は、ヨハネス・ライシャー及びアントニー・ワーテルローの共作《古城》とアドリアーン・ファン・オスターデの《釣り人たち》(図5)です。
木造の橋の上から釣り糸を垂れる男と、それをじっと見守る子ども。《釣り人たち》は、日常生活の中に流れる、ゆったりとした時間と穏やかな空気の流れを、白と黒の諧調で見事に表現した、「農民画家」とも言われるオスターデ中期の代表作です。 |
図5
アドリアーン・フォン・オスターデ《釣り人たち》 |